「なおす」は方言?意外と知らない方言の罠【関西・九州・西日本】
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こんにちは。福岡出身でお馴染み(?)のみちです。
関西や九州出身で関東に来た方なら一度は、「直す」の意味で食い違った経験があると思います。
そこで今回は「直す」について解説していきたいと思います。
それ以外の地域にお住いの「この人は一体何言ってるのかな?」と思っている皆さん。この記事を読んで西日本の人の理解を深めて頂けたらありがたい限りです。
・目次
「直す」=「しまう」は通じない?
僕が上京したての頃、バイト先で掃除用具を片づけてもらう際に「これ直して下さい。」と頼むと、
「直す?何か壊れたの?」と聞き返されたことがありました。
僕が伝えたかったのは「片づけてほしい」という意だったのですが、どうやらこれは関東では伝わらないようなのです。
そこでその理由について調べてみました。
一般的な「なおす」の意味・用例
1.もとの良好な状態に戻す。
→「気分を直す」「故障を直す」等。
2.良好な状態に改める。
→「姿勢を直す」「誤記を直す」等。
3.別の状態に変える。
→「英文を和文に直す」「進路に沿って向きを直す」等。
西日本の「直す」の意味
西日本の「直す」は「しまう」の意を持ちます。
先ほど挙げた3つの意味の内だと1に当てはまりますね。
実は、もともとは「元に戻す」という意味が転じて用いられていた古語であり、西日本の方言というわけではないようです。
しかしその用法は今では関東では使われないため、方言のように扱われているというわけです。
「直す」の用法クイズ
西日本でしか使われない「直す」があるんだ!ということはわかって頂けたかと思います。
しかしこの用法の「直す」が生活に馴染みすぎて、いざ人と話すときに「どの『直す』が通じないんだっけ?」と混乱してしまうことが多々あるはずです。
そこで、クイズ形式でいくつか例を挙げるので、「東日本で通じる・通じない」を判断してみてください。
東日本の方は簡単にわかると思います。余裕を持ってお楽しみください。
①「自転車のブレーキ直しといたよ!」
②「いい加減機嫌直せよ~。」
③「このファイル倉庫に直しといてくれない?」
④「あの新人、ちょっと目に余るものがあるわね。」
正解の発表です。
①、②は通じる、③は東日本では通じない、④はそもそも「直す」が使われていない、でした。
ポイントは「しまう」と置き換えられる用法に注意しておけば問題ないと考えて良いです。
東の方言「かたす(片す)」
しかし西の皆さん、安心してください。
そして東の皆さん。お待たせしました。次は東京・関東の方言です。
「片づける」の事を「片す」と言うのは実は東京・関東地方だけなのです。
自分こそは標準だと思っている関東人のあなた。気を付けてください。
しかし状況や「片」という語感からなんとなく「片づける」って意味かな?とわかってしまう中途半端な方言のため、あまり方言と認識されていません。
かくいう僕が「片す」と聞いても、違和感はありましたが意味は通じました。
関東の皆さん。恐らくどこで使っても意味は通じるので問題ないです。
まとめ
「しまう」という意味の「直す」は東日本では使われない用法なのですね。
円滑にコミュニケーションを行うためにも西日本の方は気を付けてみてはいかがでしょうか。
そして東日本の方。大体の西日本の人は標準語だと思っているので、これを理解した上で優しく指摘してくれればありがたいです。